第四編 一章の1 未来への話と秘密の話

作者:緋月 薙

一章の1   未来への話と秘密の話
(※今回は 序章 教皇たちの憂鬱とフラグ と合わせて2話分の更新になります)



SIDE:カリアス


「――じゃあ、いってくるね『おかあさん』♪」
「ん、いってきます、『おとうさん』」
「みぎゃあっ♪」
 イリスはフィアナに、アリアは僕に。
 イリスは満面の笑みで、アリアも表情の動きは小さいながらも、嬉しそうとはっきり分かる顔で、僕たちに。
 そんな二人の様子が嬉しいのか、白竜のウィルもご機嫌な様子で。

 イリスの『呼び方』に少し照れた様子ながら、笑顔で返すフィアナ。
「――ええ。行ってらっしゃいイリス、アリア。リーゼの所よね?」
「うんっ! おかあさんとおとうさんの事も、ちゃんと話してくるね♪」
 言いながら揺らされる、アリアと(つな)いだ手。それがイリスの嬉しさを表している様で。
「あ、あはは……うん、よろしく。僕たちも明日、親父さんと女将さんにお話しに行くから。その事も言っておいてくれると助かるよ。――アリア、イリス? リーゼはお休みでも、リーゼの家のお店は今日もやってるんだから、迷惑にならない様にね?」
 一応は『親』として言っておくけど、この子たちなら心配無いとは思ってもいて。
「ん、だいじょうぶ、おとうさん。えっと――『かってしったる、たにんのおみせ』?」
「正しくは『勝手知ったる他人の家』――どこで覚えたの、そんな言い回し……?」

 僕とフィアナは、これからハールートの住処(すみか)でレミリアや養父(とう)さん、それとルイーズも交えてお話し。
 本当はリリーさんも参加の予定だったけれど、遺跡からの撤収作業に手間取っているとの事だったので、後日改めてという事になった。――無理はしてほしくないしね。
 この場に居ないリーゼとエリルも含む子供組(ウィルとリースの幼竜組も含む)にも、今日と明日は無理しない様にと言ってある。
 なにせ昨日、遺跡探索から帰ってきたばかり。たとえ大丈夫だと思っていても、油断していると疲れが一気に押し寄せてきて倒れる、なんて話はよくある事だし。
 僕とフィアナも報告が終わったら、今日と明日はのんびりする予定。
 ……僕とフィアナはどうしても仕事が、リーゼもエリルも自宅のお店の手伝いをしないとむしろ落ち着かないらしいから、完全休養とはいかないんだけれど。

「ウィルも――元気なのは良いけど、今日と明日はのんびりと。いいね?」
「みぎゃあっ♪」
 ……『とっても元気な返事』に一抹の不安は覚えるものの、頭は良い子だから大丈夫だろう。イリスもリーゼもいるんだし。
「……おかあさん、おとうさん。ルイおねえさんをよろしく……ね? おねえさん、さいしょだけ、ちょっとひとみしりだから……」
「……ああ。言われてみれば、そうね。打ち解けると一気に気安くなるけど」
 遺跡内で出会った――元・人間の精霊、ルイーズ。
 僕たちと出会った当初は、確かに他人行儀(たにんぎょうぎ)というか……。慎重かつ丁寧な態度で、幽体の様な半透明の姿もあって、とても(はかな)げな印象を受けた。
 ……短時間で打ち解けた今となっては、そんな印象は吹き飛んだけど。
「……あはは。レミリアも養父(とう)さんもイイ性格しているから、ルイーズもすぐ打ち解けると思うよ。何かあったらフォローするから、心配しないで行ってきなさい?」
 ……あえて『良い人』ではなく『イイ性格』と言っておく。
「ん……♪ ありがと、おとうさん。じゃあ、いってきます」
「いってきます、おとうさん、おかあさんっ♪」
「みぎゃあっ♪」
 そう言うと、元気に走ってお出かけするイリスとアリア、その横を飛ぶウィル。
 …………休養。――まぁ、無理はしないだろうから、いいか。
「――アリアもイリスも、思っていた以上に喜んでくれたわね」
 フィアナが先ほどより近く――肩が触れる程の(そば)に来て、ポツリと言った。
「そうだね。反対されるとは思っていなかったけど……あそこまで喜ばれるとも、思っていなかったかな。――嬉しい、よね」
「…………うん」
 応えたフィアナの顔には、静かな――だけど、とても嬉しそうな笑みが浮かんでいた。

 昨日、遺跡から戻ってきた後。
 ……お互いに想いを伝えあって、プロポーズの様な事をした、僕とフィアナ。
 だから、その……最低でも恋人同士。養父さんたちに話をしてから、正式に婚約。
 という事を今朝、イリスとアリア、ウィルに伝えたところ――

『じゃあフィアナさんを「おかあさん」って呼んでいいんだね!? やったあっ!! ウィルも、おかあさんが増えてうれしいよね?』
『みぎゃっ!』
『――ん。じゃあ、おにいさんも、わたしの「おとうさん」だね……♪』

 と、すごく喜んでくれて――そのテンションが、先ほどまで続いていたわけで。
「――あんなに喜んでくれるなら……最初から『おかあさん』になってあげていれば良かったかも、なんて思っちゃうのよね……」
 苦笑いと共に言ったフィアナの言葉に、僕は『その場合』を想像しながら。
「――その場合、僕らはすぐに『イリスの両親』にはなれても……『恋人』や『夫婦』になるのは、もっと時間が掛かっていたんじゃないかな……?」
 多分『両親』という立場で落ち着いてしまって……気持ちを確かめ合う、なんていう事にはならなかったんじゃないかと思う。
「……ありそうね。今回も、イリスに背中押されたのが決め手だったし。それが無かったら――『本当はどう想ってるんだろう』とか思いながらズルズルと……?」
 そうなっていた可能性は、十分にある。
 その場合はレミリアか、もしかしたらアリア辺りが一計を(くわだ)てそうだけど。

 ――そうだ。せっかくこの手の話になったんだし、アレも訊いてみるか……。

「……フィアナ。少し相談したい事があるんだ」
「え? 何、改まって……?」
 昨晩。一人になってから色々と考えて、ハタと気付いた事があって。
「僕たちは、その……恋人同士に、なったわけだよね?」
「――っ!? ……え、ええ、そうね」
 フィアナの頬が、見る見る紅くなっていく。
 ……改めて『恋人』と言うと照れくさいのは、僕もフィアナも同じ様子。
 だけど、僕が相談したいのは――この先の話。
「それで、意見を聞きたいんだけど――僕たちは恋人同士として、何をすればいいんだろう? …………ちょ、『直接接触系』以外で」
「ちょ、『直接接触系』ッ!? …………こほんっ。そ、それ以外で、よね? ――一般的には、一緒にお買い物に行ったり、食事に行ったり…………あら?」
 フィアナは『直接接触系』という表現に動揺しながらも、一般的な回答を考え……そして、僕と同じ結論に至ったらしい。つまり――

「……『一般的な恋人同士のデート』っぽい事、僕たち一通りやってるよね……?」

 ここに来てからも、聖都に居た時も。僕たちは、よく一緒に行動していた。
 休日は一緒に備品の買い物に行き。ついでに私服も見に行って、僕のをフィアナに選んでもらったり、逆に意見を求められたり。
 新しくできた食事処に行って、休憩がてら談笑したり――
 これらはよくある日常だったため、これ以上の恋人っぽい事というのが……それこそ『直接接触系』以外、浮かばなかったりする。
「――で、でもほら! あの頃とは気持ちが違うんだし……か、カップル向けのアレコレとか、いろいろあったじゃないっ!?」
「ああ、そういえば。こっちでは見かけないけど、聖都にはあったね。……ああいうのは確かに、カップルじゃないと――」
 聖都にはお洒落(しゃれ)な店も結構あって。そういう店には、カップル御用達のメニューがある事も。……二人で飲むのが前提の飲み物とか、二人分の大きなケーキやパフェなど。
 さすがに当時は手を出していないメニューの数々を思い浮かべ……フと思う。
「――でもそこら辺、イリスとアリアなら普通に二人でいけるよね」
「…………確かに、違和感が全く無いわね。それにそういう店って肉料理以外のメニューも多いから、ウィルも喜びそう」
「だけど……それなら、アリアにはボリュームが足りないんじゃないかな? それならいっそ、聖都の東地区の――」
「あ……そうね。あのお店はお洒落とボリュームが適度に両立してたわね。……だけどあの辺、他に楽しめる所が無いじゃない。子供たちも連れて行くなら北門近くの――」
「ああ、なるほど。あそこなら近くに公園もあるし、ウィルも飛び回れるね。それならその後は、噴水広場の――」

 ――と。しばらく『子供たちと聖都に行った場合』のプランを話し合って。
「「 …………あれ? 」」
 同時に我に返って、気が付いた。
「――僕たち、何の話をしてたんだっけ……?」
「『恋人同士は何をする?』っていう話、だったはずよね……?」
 ……なのに、いつの間にか『家族旅行計画』になっていたわけで。
 僕とフィアナは顔を見合わせ、共に引きつった笑みを交わし――
「「 ………………ぷっ、あはははははははッ!!」」
 突如、笑いの衝動に駆られ、揃って笑い合った。
 自分たちに心底呆れて――だけど同時に、相手も一緒なのが嬉しくて。
 そんな自分たちとその関係が、なんだか凄く可笑(おか)しくて。
「――あはは。……ねぇ、フィアナ? 僕はフィアナと恋人同士になれて嬉しいし、たまには二人きりになりたいって思っているのも、本当だよ? でも――」
「――うん、それは私も。ちゃんと恋人っぽい事もしたいって思う。……だけどあの子たちが居ない状況っていうのも、落ち着かないのよね」
 少し紅い頬で言うフィアナと、笑みを交わし合う。
 ……以前、エリルに『【付き合う】を飛び越えて【結婚】になるのはいいのか』みたいな事を訊かれたけれど――その事には、なぜか違和感も不安も感じなかった。
 その理由が今、はっきりと自覚出来た。
 付き合う――交際期間を『相手を知る期間』『想いを深め合う期間』と捉えた場合。
 僕とフィアナにとって、それは今さらの事なのだから。
 ……当然、いらないとは言わない。
 だけど僕たちは、これからの関係に不安は無い。――だから、大丈夫。
『恋人』という関係にとらわれなくても。今までの僕たちの関係、それを続けた先に、ちゃんと僕たちに合う新しいスタイルがあると思う…………あ、でも――
「――ね、ねぇフィアナ? そ、その……僕たちは、あんまり今の関係を変える必要は無い、とは思うんだけど……」
「 ? ――ええ、そうね。私もそう思ったわ。……だけど、どうしたのカリアス?」
 我ながら挙動不審になった僕に、首を傾げるフィアナ。
 この話は、すごく言い出しづらく。だけど――話しておくべきかなって思って。

「……その。だから例の――ち、『直接接触系』は、追々って事で……っ!」

「――え? ……っ! ~~~~~ッ!?」
 一瞬キョトンとしたフィアナが……意味を理解した途端、一瞬で真っ赤になった。多分、僕の顔も同じ様な状態だろう。
 ……こうなるのは分かっていたけれど、それでも話したのには、理由があって。
 昨日、フィアナと想いを伝え合った時。
 僕は衝動的にフィアナを抱きしめたり……キス、したり。その際に、己の理性は全く働かなかった。……幸い、フィアナに嫌がられはしなかったけど。
「――フィアナに対して、いろいろ自覚しちゃった僕は……理性に自信が持てないんだよ。だからフィアナの意に反して進もうとしちゃったら、ちゃんと拒んでほしい」
 ……と。ここまでフィアナの状態は無視して、とりあえず言うべき事を言い切ると。
 ――ツンツンと、服が引かれた。
 見ると、耳まで紅くしたフィアナが俯いたまま、僕の服を(つま)んでいて。
「…………むり」
「――え?」
 小さな声で、呟く様にこぼれた言葉。
 聞き間違いだと思って聞き返すと、フィアナは俯いたまま――

「……たぶん、むり。……よっぽどの状況じゃないと、私は拒めない。――あんたにイヤだって思うことは、たぶん、ないと思う……」

 ――ッ!? ……っ! お、落ち着け僕……ッ!!
 俯いたまま、羞恥のためか、少し舌足らずな口調で言ったフィアナ。
 愛しい人の、そんな様子を見て――聞いて。
 僕は早速、自信の無い理性を総動員させる必要に迫られた。
「…………そ、そう言ってくれるのは、凄く嬉しいけど――せ、節度というモノは必要だと思うし……っ! ……仕事と、子供たちの関係に支障が出ない状況で、お互いの同意の上で、っていう事で……どう、かな……?」
「……うん、わかった」
 まだ俯いたまま、そう答えてくれるフィアナ。長く綺麗な髪からのぞく耳は、紅い。
 ――びっくりした。いきなり可愛くなるのは心臓に悪い……!
 いつもは返事も『ええ』なのに、照れたりすると『うん』になったり、先ほどみたいに少し舌足らずになったりと……無意識に、少し幼い感じになるらしい。
 ――これは……うん。理性をしっかり持たないと、な。
「……じゃ、じゃあ、そろそろハールートの住処に行こうか。通信の前に、ハールートやルイーズとも話しておきたいし――って、あれ?」
 言いながら移動しようとすると……またも、服が引かれた。

「――ち、『直接接触系』は、まだむりだけど……手は、つないでもいい……?」

 ――――が、頑張れ理性……!!
『手を繋ぐ』で止まるために、僕はなけなしの理性を振り絞る事にした――

      ◆      ◆

『カリアス、フィアナ! 婚約おめでとう!』

「「 ……なんで知ってる? 」」
 あれから、ハールートの住処への転移陣の前まで……手を繋いで行って。
 そこで少し、お互い冷静になるまで待ってから、転移陣に入ると。
 真っ先に出迎えてくれたのが、この半透明な女性の、先の言葉だった。
『うん! イリスちゃんが精霊で教えてくれたよ♪』
「……え? でもルイーズ、転送珠持ってないわよね? どうやって?」
 本来は相互移動するための転送珠を使って精霊を転移させる事で、対となる転送珠を持つ者(と、その周囲の者)と会話するという、現状ではイリスしか出来ない技術。
 だけど、その転送珠も持っていないルイーズが、どうやって……?
『うん、イリスちゃんも「試したらできちゃった」って言ってたけどね? ウィル君の力を借りれば出来るみたい。転送珠で転移させる代わりに強化した聖術で場所を指定して、同じく強化した風の精霊術で言葉を飛ばしてる、とか言ってたよ』
「相変わらず、いつもあの子はとんでもないマネをサラっと……」
 ……己が持つ資質をフル活用し、天聖白竜の能力を上乗せした技術を(もっ)て、婚約の一報を伝えたイリス。
 ――才能の無駄遣いというか有効活用というか……。
『まったくもう♪ 昨日会ったときから「この二人、デキとるん?」とは思ってたけど、まさかいきなり婚約しちゃうなんて、このリ・ア・充♪』
「ふぇっ!? な、お、大きなお世話よっ! いいでしょ別にいつ結婚したって……!」
 ……『リア充』の意味は分からないけど、ひやかされているのは分かる。
『ふぉっふぉっふぉ! 許してやってくれ、フィアナにカリアス。我もルイーズも、お主らの婚約を本当に嬉しく思っておるのだ』
 笑いながら、ハールート。強大な力を持つ守護竜様は、本当に嬉しそうに語る。
「分かっていますよ、十分に祝福してくれている事は。――ね、フィアナ?」
「……ふん」
 文句を止めて、気恥ずかしそうに顔を逸らすフィアナ。それをルイーズは、とても可愛いモノを見る様に、瞳を輝かせて眺めている。
『もちろん、それが一番大きくはあるのだが……それだけではない。我らは――お主らの子が産まれるのを、心待ちにしておるのだ』
「――え? ……ふえええええええッ!?」
『は、ハールートッ!』
 その言葉に、真っ赤になってあたふたするフィアナと……(とが)める様なルイーズ。
「……どういう意味、ですか?」
 ハールートの口調とルイーズの様子から、冷やかしてるだけではなさそうで。
『簡単な事だ。……どうしても、我らはお主らより永く生きるであろう?』
「――ああ、そういう事ですか」
 竜の生態は知られていないが、それでも三千年を生きるハールートが『若い古竜』と呼ばれるのだから、おそらく千年単位で生きるのだろう。
 そして精霊となったルイーズに至っては、『死』というものがあるのかすら不明。
『……その事は、もう割り切るつもりだよ。だから――皆が生きた証が遺るなら、それは私たちにとって、すごく嬉しい事だと思うんだよ』
「ルイーズ……」
 少しだけ寂しそうに言うルイーズに、フィアナが思わず名を口にする。
 ……最初から竜という長命種のハールートと異なり、ルイーズは元・人間。『割り切るつもり』という言葉からも分かる通り、まだ戸惑いがあるのだろう。
「……ハールート、それにルイーズ――」
 ――きっと、慰めるのも励ますのも違う。ならば、先に逝く者として言う言葉は。

「僕たちが居なくなった後。僕とフィアナの子供たちを、よろしくお願いします。――あなた方ならば、安心できます」

 それはまだ見ぬ、僕とフィアナの子孫だけではなく。アリアやイリス、そして……同じく長命種であるウィルと、きっとウィルと共に生きるであろうリース。
 大切で、幸せになってほしいと心から思う子供たち。ハールートとルイーズが見守ってくれるのなら、これほど心強い事は無い。
『――うむ。その任、喜んで引き受けよう』
『う、うんっ、任せて! ……ありがとう。だから――』
 嬉しそうに応えてくれた、ハールートとルイーズ。そしてルイーズは言葉を続け。
『――だから。いつでも何人でも、子供産んで大丈夫だよ、フィアナ♪』
「あ、あんたはぁぁぁあああッ!!」
 またも真っ赤になって、文句を言うフィアナ。……僕にもダメージ入ってるけど。
「あ、あー……そっちは追々って事にしてくれると嬉しいです、ハールート」
『ふぉっふぉっふぉ、分かっておるわ。ルイーズのアレも、ただの照れ隠しであろう』
 もちろん、多分フィアナも、それは分かっているけど。

「それで――そろそろ通信しようと思うんだけど、準備は大丈夫?」
 そろそろ時間なので、口論を繰り広げている二人に声をかけると――揃ってピタリと動きが止まった。……やっぱり君ら二人、とっても気が合ってるよね?
『――相手は女教皇、だよね? 大丈夫なの、ハールート……?』
 僕たちの身内というのは、すでに話してある。だから、客観的な意見が欲しかったのだろう。単に一番付き合いが長いから、かもしれないけど。
『――ふむ。教皇を務めるに相応(ふさわ)しい教養と知性は持っておるが――中々に良い性格をしておる。おそらく、ルイーズとは気が合うと思うぞ。――のぅ、フィアナよ?』
「…………そうね。あんたとあの子が手を組んだトコなんて、想像すらしたくないわ」
「あー……うん、そうだね。――頑張って、フィアナ」
 フィアナをからかう人物といえばリリーさんもだけど……彼女の場合はフィアナへの敬意が見られ、まだ手心を加えている気配がある。
 だけどレミリアの場合は身内の気安さからか、一切の容赦が無い。
 そんなレミリアとルイーズが手を組んだのなら――フィアナには本当に『……頑張って』としか言えない。
『えっと……身内には容赦の無い、ちょっとイジメっ子、って感じの人?』
「まぁ、間違ってはいないわね。……いつも出オチ仕込んでくる、困った子だし」
 ルイーズに、そう答えるフィアナ。今回はルイーズが居ると伝えてあるため、流石に出オチは自重するだろうけど……人物評としては間違っていない。
 そんな二人の会話を聞きながら、通信用の映光玉を準備。
「よし、っと。こっちの準備は出来たけど……大丈夫かな?」
『――うん、大丈夫。いつまで悩んでても仕方ないからね!』
「……分かった。じゃあ始めるよ」
 その妙な気合いに、何故か嫌な予感がするけれど……大丈夫と言うなら始めよう。
 そうして映光玉を起動。向こうの応答を待って――いる時に。
『――人間関係は出だしが肝心。相手が困った人なら、最初にかまさないと……ッ!』
「……え? 待ってルイーズ、今回は流石に――」
 不穏な事を言うルイーズを、フィアナが慌てて止め――る前に、光に変化が生じた。
 遙かな地との通信が始まり、光の輪の中にはレミリアと養父さんの姿が現れ。
『――初めまして、長き時を超えられた新しき精霊様。私は教皇レミリアと申し――』

『ど~もぉ~! 元・人間の精霊っぽい何か、今後のモットーは【姿は薄くてもキャラは濃く】! ルイーズちゃんでぇ~っす♪』

 (おごそ)かに礼節を以て挨拶をしようとしたレミリアの声を、ルイーズの必要以上に陽気な声がかき消した。
『『 …………はい? 』』
『………………え?』
 由緒正しき礼装を纏ったレミリアと養父さんが、呆気にとられた顔を向けていて。
 ルイーズは……予想と大きく異なっていたらしく。やらかした事に気づいて、半透明な姿なのに顔色が蒼くなっていった。

 出だしが肝心どころか、見事な出会い頭の事故が発生した。

『――す、すみませんでした……ッ!!』
『あ、え、そんな見事な土下座をなさらなくても! お、おじさま、どうすれば!?』
『……私も精霊が出オチで自爆した上で土下座かましてくるなんて、初めての経験なので――まぁ、楽しそうな方でよかったのでは?』
 僕とフィアナ、ハールートは。そんな精霊と教皇と騎士団長の会話を、頭を抱えながら眺めていた。
 ……こんなグダグダな感じで、今日の会談は始まった――


SIDE:イリス

「フィアナさんたち、上手くいったんだ? 良かったね、イリスちゃん♪」
「うん、ありがとリーゼちゃん! おとうさんもフィアナさ――おかあさんも、とっても嬉しそうだったよっ♪」
 いっしょによろこんでくれるリーゼちゃんに、ありがとうって言います♪
 ……でも『おかあさん』って呼べるのは嬉しいのですが、まだ慣れません。
「ん。おかあさんも……おとうさん、も。『たいしたことじゃないよ』ってかおしてたけど……いつもより、なかよしだったよ?」
 そういうアリアちゃんも、いつもよりちょっぴり嬉しそうなお顔です♪
「『いつもより仲良し』? それって――『大した事じゃない』って顔をしているなら、イチャイチャデレデレってわけじゃないんだよね……?」
「っていうか、兄ちゃんがデレデレしている所も、あんま想像できないし……」
 おとうさんは、いつも落ち着いてて優しいので、たしかにアリアちゃんとは別のかんじで、わかりにくいかもしれません。でも――
「えっとね、きょうはずっと一緒だったよ! 朝ごはんも当番じゃないのにふたりで作ってたし、朝の教会のおそうじも、ずっと近いとこでやってたり」
「あと……すわってるときも、たってるときも、あるいてるときも。いつもより、ちょっと近かったよ? さいしょは、ぐうぜんかなっておもってたけど……」
 一つ一つは、とっても小さな変化の『小さな仲良し』です。
 だけど気にしてみると『小さな仲良し』がいっぱいあって。
 だから、『とっても仲良し』になったんだなってわかりました♪
「……あー、それなら想像できるっていうか――下手にイチャつくより、よっぽど……」
 わたしとアリアちゃんが『こんなこともあったよね』『ね~♪』って話していると。
 エリルくんとリーゼちゃんは……あれ? ちょっとお顔があかくなっています?
「う、うん。……さりげなく二人の世界作ってるよね? ――羨ましいな……」
 そう言ったリーゼちゃんは『ちらっ』てエリルくんをみて。
「「 ッ!? ~~~~~~っ! 」」
 エリルくんと眼が合うと、もっとまっかになって、下をむいてしまいました?
「……アリアちゃん。リーゼちゃんとエリルくん、どうしたんだろ?」
「こういうとき、ほうっておいてあげるのも、おもいやり、だよ?」
 ……たまに、アリアちゃんの言っていることがわからなくなります。
「ち、違っ――そ、そうだ! イリスちゃんとアリアちゃんは、それを見て羨ましいとか思わなかった!? 将来、誰かとこういう風になりたいとか、ウィルくんも――」
 慌てたかんじで話しだしたリーゼちゃんは、今までおとなしくしているウィルたちの方をみて――わたしたちも一緒に、ウィルたちの方をみると。
「……み?」「みゅ?」
 ウィルとリースは揃って『ごろごろ~』って転がって、日陰に移動するところでした。
 おとうさんたちに『今日はゆっくり休養してなさい』って言われたので、ウィルとリースは『きょうはお昼寝の日!』ってきめたみたいです。
 だけど、ウィルは日向(ひなた)が好きで、リースは日陰が好きです。
 だから、ときどき『ごろごろ~』って、日向と日陰をいったりきたりしています。
「――ウィルとリースは多分、将来的に確定してるっぽいし、いいんじゃないか?」
「あはは……そうみたいだよね」
 エリルくんとリーゼちゃんが、そう話すと。
「みぎゃ?」「みゅう♪」
 ウィルは『なんのこと?』って。リースは『もちろん♪』ってこたえました。
「だけど……イリスちゃんとアリアちゃん? 実際フィアナさんたちを見て『羨ましい』とか、思わないの?」
 リーゼちゃんが、あらためて訊いてきました。
「んー……? おとうさんとおかあさんが仲良しで、嬉しいなって思ってるよ?」
「――ん。わたしも『うらやましい』は、おもってないよ? ……いまは」
「……え『今は』? じゃあ、そのうち思うかもしれない、って事?」
 アリアちゃんの言葉に、リーゼちゃんが訊きかえしました。
 訊かれたアリアちゃんは――え? わたしの方をむいて、抱きついてきました?
「――わたし、いまは……おねえちゃんが、いちばんすき」
「わ! ありがと、アリアちゃん♪」
 わたしもお返しに、アリアちゃんを『ぎゅ~』ってします。
 するとアリアちゃんは、わたしに抱きついたまま話を続けます。
「でも……これが、おとうさんとおかあさんみたいな『すき』かは、わからないから」
 ちょっと不安そうに言うアリアちゃん。
 だから『大丈夫だよ?』って、頭をなでてあげると……安心したみたいで、ちょっと照れたみたいに笑うアリアちゃん、カワイイです♪
「えっと……そういうことなら、わたしも分かってないと、思う?」
 アリアちゃんはとってもカワイイって思うし、リーゼちゃんも、エリルくんも、ウィルもリースも――もちろん、おとうさんとおかあさんも大好きです!
 だけど……今お話ししている『特別な好き』では、ない気がします。
「まぁ……焦る必要も、深く考える必要も無いと思うぞ?」
「うん。こういうのって、深く考えてもどうにもならないもん――あ、でも……」
『心配ないよ』っていうふうに言ってくれる、エリルくんとリーゼちゃんでしたが――なにかに気づいたみたいで、困ったような顔で、わたしを……?

「イリスちゃんは――女の子としての意識っていうか、警戒心が心配かも……?」

「「 …………あー 」」
 リーゼちゃんの言葉に、アリアちゃんとエリルくんが揃って――困ったヒトをみる眼でわたしをみてきました!?
「……おねえちゃん、たまにスカートのなか、みえそうになってる、よ?」
「誰にでも優しいのは、とっても良いことだけど……もう少し疑ったり警戒することを覚えないと、大きくなったら大変だよ……?」
「…………」
 アリアちゃんとリーゼちゃんが、心配そうな顔で言います。
 エリルくんは……なぜか、顔をそらして黙っています?
「そういえば……アリアちゃん、何気に防御力高いよね? 動く時はハーフパンツかショートパンツだし、スカートの時も気にしてるよね?」
「――ん。わたしはしっかりして、おねえちゃん、まもってあげないと」
 眼を『キラッ』ってさせて、ちょっと得意そうに言うアリアちゃん。
 そういえば……わたしが走るとき、アリアちゃんはいつも後ろを走っているのも、初めてあうヒトが近づいてきたとき、わたしの手をにぎっているのも、もしかして……?
「え、えっと……わたしも、みられない方がいいっていうのは、わかってるよ……?」
「「「 …………えー? 」」」
 みんなから、とっても疑ってる眼がきましたっ!?
「んー……それなら、ちょっと調べてみようか? とりあえず――知らないおじさんに、スカートの中を見られるのは?」
 リーゼちゃんに言われて、ちょっと想像してみると――
「……とってもイヤ」
「ん。すぐにこたえてくれて、ちょっとあんしん」
 アリアちゃんが『よくできました』って、頭をなでてくれました!
 ……『おねえちゃん』という立場のピンチですが、とっても気持ちいいです。
「じゃあ……自警団の人は?」
「んー……かなりイヤ?」
 ちょっとだけ『仕方ないかも?』っていう気もしましたが……やっぱりイヤです。
「――ん、よかった。おねえちゃんにも、ちゃんと『イヤ』ってきもち、あるんだね」
「えっと……今まであんまり『みられるかも』とか『みられたらイヤか』とか、ちゃんと考えたことなかった……かも?」
 ……『イヤ』って思う気持ちがあっても、そうなっていると気がつかないなら、意味がない気がします……。
「あ、なるほど……。じゃあ、どちらかと言えば立ち振る舞いとか気遣いとかの問題……なのかな? 行儀作法とか習えば、そこら辺も解決するかも?」
「それなら、フィアナ姉ちゃんに頼んだらどうだ? 聖殿にも出入りしてるって言ってたから、作法とかも出来るはずだし。――だよな、アリア?」
「ん。おかあさんなら、だいじょうぶ。……おねえちゃん、いっしょに習おう?」
「……うん。そうだね」
 みんな、わたしのことを考えてくれているのはわかります。それは、嬉しいです。
 ――だけど『お行儀わるいよ?』って言われている気がして悲しいです……!
「じゃあ、話がまとまったところで――ついでにイリスちゃん。もしエリルくんやカリアスさんに見られた場合は?」
「え? エリルくんと、おとうさんの場合……?」
「げっ!? ちょっと待っ――」

「この前エリルくんに着替えをみられちゃったときは、そこまでイヤじゃなかったよ?」

 もちろん、ちょっと恥ずかしかったですが『仕方ないなぁ』っていう感じで――って、あれ? なんだかみんなが……?
「ふ~ん? エリルくん、そんな事してたんだ……?」
「――おにいちゃん、『ぎるてぃ』……?」
 あ、あれ? なんだかリーゼちゃんとアリアちゃんが、怖い感じに……?
 エリルくんは……なんか真っ青で、とっても怯えた感じになってます!?
「ち、違っ! 教会で、居るの知らないで開けちゃっただけで……ッ!!」
「……証人、イリスちゃん。被告人の釈明をどう思いますか?」
「ふえっ!? え、えっと……わ、ワザとじゃなかったみたいだし、とっても慌てて謝ってくれたし、許してあげてくださいっ!」
 ――あ、あれ? なんでわたしが『許してあげて』って言って……?
 ちょっと考えたら『あれ?』ってなりますが……リーゼちゃんとアリアちゃんは気にせず話しあって。
「……今回は、許します。だけど、今度またやったら――」
「『やったら』……?」
 リーゼちゃんの言葉を、ビクビクしながら聞くエリルくん。

「――『自警団の皆さん。イリスちゃんに不埒(ふらち)な事をしたのはこの人です』って通報」

「ッ!? 絶対に気を付けますだからあの人たちに通報は止めて!? 本気で何らかの意味で殺されるから……!!」
 ――『何らかの意味で殺される』って、どういうことでしょうか……?
 ますます怯えた感じで、顔を真っ青にするエリルくん。
 とにかく……ここは、話を変えてあげた方がいい気がしますっ!
 そう思ってアリアちゃんをみると、気づいたアリアちゃんは、うなずいてくれて。
「ん。……それで、おねえちゃん? おとうさんに、みられたばあいは?」
「へ? あ、そっか。そういうお話だったね。えっと、おとうさんの場合は……」
 リーゼちゃんとエリルくんもこっちをみていることに、少しホッとしながら。おとうさんの場合をかんがえます。きっと、おとうさんなら大丈夫なハズ――
「…………あれ?」
「え? どうしたの、イリスちゃん?」
 想像してみると、やっぱりイヤではなかったのですが、顔がアツくなって……?

「……イヤじゃないけど……とっても恥ずかしい、かも……」

「「「 ……………… 」」」
 あれ? みんな、ちょっとお顔をあかくして『ぽー』って感じでこっちをみてます?
「みんな、どうしたの……?」
「……うん、なんでもないよ? でも、ちょっと待っててね、イリスちゃん。――アリアちゃん、エリルくん……ちょっと」
「――ん」「おう」
 そう言って、三人はお部屋のすみっこの方にいって、話しあいを……?

『無自覚であれは……ちょっと危険かも』『……ん。ちょっと、ドキドキした』『……でも、マズくないか?』『血の繋がりは無いから、そっちの問題は無いけど……もう、ね?』『でも、おねえちゃん「なかよしでうれしい」っていってた、よね?』

 ――あ。リーゼちゃんがこっちを向きました。お話はおわったんでしょうか?
「えっと……イリスちゃん? カリアスさんとフィアナさんが仲良しで、もうすぐ結婚するの、嬉しいんだよね……?」
「 ? うん、もちろん! それに結婚すれば、子どもが生まれるんだよね? そっちも、とっても楽しみだよっ♪」
 いつか生まれてくる『おとうと』か『いもうと』。どんな子なんだろうって考えると、今からとっても楽しみです!
「――そっか。うん、もう少しだけ待っててね?」

『……ん、いまのところは、しんぱいない、みたい?』『うん。今は多分、恋愛感情じゃないと思う』『どっちみち、俺たちがどうこう言えた事じゃないだろ。……心配はしたけど』『――うん、そうなんだけど……』
 本当に、なんのことなのでしょうか? ……あ、おわったみたいです!
 みんながこっちを向いて――リーゼちゃんが口をひらきました。

「おめでとうイリスちゃん。――無罪です」
「わたし裁判うけてたんです!?」

 とってもビックリです! なにか悪いこと、してしまったんでしょうか……?
「あ、あはは。ごめんねイリスちゃん、冗談だよ。何も悪い事してないよ?」
「よかったぁ、びっくりしたよ……。それで、なんのお話だったの?」
 ――って聞いたら……あれ? なんだかみんな『ギクっ』って顔になって……あ。アリアちゃんがなにか言うみたいです。
「――ん。おかあさんとおとうさんの、お祝い。どうしようかなって」
「『お祝い』!? そうだね、お祝いしてあげたいねっ♪」
 ……なぜかリーゼちゃんとエリルくんが、アリアちゃんを『あなた天才ですか!?』っていう顔でみていますが――たしかに、とってもいい案だと思いますっ!
 きっと『お祝いしたい』っていう人は、いっぱい居ると思います。
 だから大勢で『おめでとう!』ってできたら、とってもステキです!
「ああ、いいなそれ! 自警団の人たちとか、他にも教会で兄ちゃんに世話になった人とか、お祝いしたいって人はいっぱい居そうだしな!」
「うんっ! それなら――ウチのお父さんたちに相談してみよう? お祝い、ウチのお店で出来るなら、いろいろ手間が省けるし……お金の問題もあるし」
「――ん。あと……リリーさんにも、そうだんしよ? じけいだんのヒトにてつだってもらえれば、とってもたすかる……」
 ステキな計画が、どんどん進んでいきます♪
「じゃあ、さっそく動こっ! まずはリーゼちゃんのおとうさんに相談、だねっ」
 そうして、わたしたちは動きだし――
「――あ、でも。ちょっと忘れない内に話しておきたいんだけど……行儀作法、ちゃんと習った方がいいと思うの。……イリスちゃんだけじゃなくて、私たち全員」
 リーゼちゃんが、マジメな顔で言いました。
「……え? おねえちゃんだけじゃなくて、わたしたちも……?」
「イリスはともかく――俺も……?」
 アリアちゃんとエリルくんが『なんで?』っていう顔をしています。
 ……だけど二人とも? わたしがお行儀わるいっていうの、決定なんですか……?
「アリアちゃんは、非公式でも教皇の姉と聖殿騎士の娘だから、いつかはそういう場所に行かなくちゃいけないと思うよ?」
「……あ」
 言われたアリアちゃんが、とっても気が重そうな顔になりました。
「エリル君は、そもそも聖殿に出入りする聖殿騎士になるんだから、必要だよね?」
「……うあ」
 エリルくんは、『とっても面倒』っていう顔をしました……。
「イリスちゃんと私は、ちょっと大事になりそうだし――というかそもそも教皇様の知り合いっていうだけで、作法が必要な場所に行く事になる確率高いんじゃ……?」
 ……言っているリーゼちゃんも、とっても気が重そうです。
「「「「 ………… 」」」」
 わたしたちは、とっても重たい気分で顔をあわせてから。

「と、とりあえず、お祝いの準備、がんばろっ!」
「「「 ……うん、そうだね! 」」」

 ツライ現実から、いったん逃げることにしましたっ!
 わたしに賛成してくれた同類(みんな)の声が、とってもたのもしいです。
「――んじゃ、まずは親父さんの所か?」
「あ、待ってエリル君。リースとウィル君は……」
 リーゼちゃんに言われて、ずっと大人しいウィルとリースの方をみると。
 ……窓のした。日陰と日向の境目で。
「みぃ……」
「みゅぅ……」
 ウィルは日向に、リースは日陰に。
 仲良く手をつないで、とっても気持ちよさそうに眠っていました……♪
「「「「 ………… 」」」」
 わたしたちは起こさないように……そっとウィルたちにタオルを掛けてあげてから、静かに部屋をでました。

 とっても心がなごんだので、いろいろがんばります!
 ……お祝いの準備を。



   ◆◆◆次回更新は8月4日(金)予定です◆◆◆

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