緊急重版御礼ショートストーリー

作者:ハヤケン

※文庫第1巻のネタバレを含みますので、ご注意くださいませ※


「よっしゃー! おめでとう俺達っ! よくやった感動した!」
「うんうん、おめでとーっ! やったねー!」
「こんなに上手く行くなんて、正直思っていなかったわ」
「ダメ元だったもんねえ。よくあれで上手く行きましたし!」

 え? 何してるかって、それはもちろんギルドハウスをゲットしたお祝いです!
 近所のギルドショップでお菓子やらジュースやら買ってきて、ささやかながら打ち上げと言う感じで。
 リューがテーブルの上にちょこんと陣取り、クッキーをボリボリ食べている。

「どうせなら、リアルにファミレスとかで集まってパーッとやりたい気もしますけど!」

 矢野さんがそう言うが、生徒は日本全国にいるからなー。
 ゲーム内の学校だから、別にどこに住んでいても通えるのだ。

「そういえば、高代くんと青柳さんはどこに住んでいるの? 私達は千葉なんだけど」
「お? 近いな。俺東京であきらは神奈川」

 集まろうと思えば集まれるは集まれるな。
 この学校は基本それぞれ自宅からログインするわけだが、有志が集まれるよう全国の主要都市には小規模だが事務所がある。
 そこにゲーム用の筐体が設置されてるから、そこからログインも可能だ。
 ただし数に限りがあるので、使うには予約がいるが。

「ファミレスかぁ。いいな~そういうの憧れるなあ……!」

 あーまあ、あきらはそうなのかなー。ファミレスとか行ったことないんだな。
 ゲーマーだからゲームに出てきたりして知ってるは知ってるんだろうが……
 お嬢様らしいもんなあ。
 あきらにとってはファミレスってゲームの世界のものなのかも知れない。

「んん? あっきー今なんか変な事言わなかった?」
「あ、ええと実はね……家が過保護でね――」

 ハイ説明はいりまーす。

「うおおおおお!? 何それ羨ましーっ!」
「凄いわね……!」
「いや、わたしが偉いわけじゃないし、堅苦しいだけだよお? ファミレスだって簡単には行かせてもらえないだろうし。どんな危険があるか分からない! って」
「ふええ~そんな感じなんだ?」
「うん。無理やり行ったとしても警備がいっぱい来るだろうし、下手すれば安全確保のためとか言ってお店ごと買い取っちゃうまであり得るなあ……」
「ははは……すっげー」
「よくこの学校に入れたわね?」
「学校に通うために家から出なくていいでしょ? だから安心っていうのはあるかも。うちのお父さんはわたしを箱入り娘にしたいらしいから」
「とはいえ中学までみたいに、お嬢様学校行けって言われなかったのか?」
「うーん……実は、言われたよ~。入学式の直前になってやっぱ取り消してお嬢様学校のほうに行けって言われてね――」
「えぇ!? そうだったのかよ!」
「うん。でアッタマきて人生で一番ってくらい大暴れしたら怪我しちゃって――まあおかげで、そこまで行きたいならってなったけど……」
「なるほど、そういう裏が――」
「でも骨一本の価値はあるよね~! ここすっごい楽しいもん!」
「ははは……どこの豪傑のセリフだ、それは」
「ファミレスも行きたいなあ~! 今度みんなで行こうよ! 家の方は何とかしてみるから」
「ああ、俺は全然いいぞ」
「ええ。行きましょう」
「楽しみにしてますし!」

 さてそれが、いつのことになるやら――


(了)


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